車のウォーターポンプからの水漏れ故障 修理交換費用はいくらですか?

ウォーターポンプの役割

ウォーターポンプという部品は、エンジン本体にくっついている、鋳物製の部品です。エンジンが作り出した回転の力を、専用のベルトで出力し、その力でエンジンを冷やすための冷却水を循環しています。車のエンジンは「車の心臓」とも言われていますが、ウォーターポンプは「第二の心臓」とも言える、とても重要な部品です。ウォーターポンプはその文字の通りポンプですから、中に水を循環させるための羽根、「インペラー」と呼ばれるプロペラが入っています。その他には、メカニカルシール、ベアリング、ボディー本体、ガスケットなどで構成されています。今までは最初にご説明したように、エンジンからベルトで出力を取り出すタイプが殆どでしたが、今の車は小型軽量化が進んでおり、電気で駆動するタイプのウォーターポンプも多く存在します。いずれにせよ、仕組みは同じです。

壊れる時の症状は?

私の場合

 ウォーターポンプは常に回転しています。部品には小さな穴が空いており、内部のベアリングが壊れたり、ワックス部と呼ばれる箇所の具合が悪くなってくると、この穴から水が少しずつ漏れてくるようになります。実は私の車もウォーターポンプが壊れて取替をしました。一番はじめの症状は、ユーザー車検の際に、下回りから茶色い液体が漏れていることを指摘されたことでした。この茶色い水のような液体が何なのか、当初は私も検査員も解らなかったのですが、これは、ワックス部のグリスと、冷却水とが混ざったものでした。
water_pump
 更にその後、エンジンのベルトあたりからキュルキュルという音がするようになりました。この時点ではまだ、ウォーターポンプが壊れているのだと解っていません。私は単なる「ベルト鳴き」だと思い、家にあったCRC5-56などをベルトに吹き付けたりして、その場を凌いでいました。単なるベルト鳴きならこれで収まる場合もありますが、私の場合はウォーターポンプのベアリングが寿命を迎えていましたので、キュルキュル音が収まる訳はなく、ベルト鳴きは本体自体が壊れるまで続きました。

一般的には

 一般的には、駐車場のエンジン部分の下に、僅かながらの水漏れが発見されるという場合が多いです。エアコンから排出される水とは違い、エンジンの冷却水は凍結防止や腐食防止のために、エチレングリコールを主成分とした不凍液を使います。水ではなく、有毒物質ですので、しみになりやすい特徴があります。
 特性上、エンジンが冷えている時に漏れたり、その逆で、エンジンが暖まると漏れたりというケースがあります。冷却水は熱で膨張するために起こる症状です。

そのままでも大丈夫なのか

私の場合は、まあ何とかなるだろうという、訳の分からない自信の元、ベルトに潤滑剤を吹き付けながら、数週間走り続けました。その結果、一般道走行中に突然音が大きくなり、最終的にはがらがらと大きな音になり、エンジンルームから煙が出てきてしまいました。幸いにも会社のすぐ近くでしたので事なきを得ましたが、これが渋滞中の片側一車線の道路で起きてしまったら、と考えるとぞっとします。
 車検整備の際や、定期点検でにおいて、ウォーターポンプの取り替えを奨励されたのであれば、早めに整備しておいた方がいいでしょう。

修理すると、いくら位かかる?

ウォーターポンプ取り替えの修理代金は、部品代と工賃になります。私の場合は、部品が特殊であったのと、取り付けに特別な技術が必要だったこともあり、(旧い車なのでボルトが全て折れてしまった)、総額で4万円でした。おおよその目安ですが、部品代が冷却水を含めて約12,000円、工賃がカローラクラスで約1万2千円、日産マーチなら2万円、スバルレガシィは3万7千円、総額では、カローラクラスで約2万4千円、マーチが3万2千円、レガシィなら4万9千円という価格が一つの目安になります。

価格が違う理由

 車の整備の費用には、その整備にかかる整備時間、という一つの目安がありますが、この単価が、ディーラーと町工場とで違います。また、整備をするにあたって、使う部品も選択肢があります。若干割高でも安心感のある純正部品を使うケースや、社外汎用部品を使って費用を抑えるケース、あるいは、オークションなどで中古品を探したり、リビルト品という再生品を使う場合もあります。(ウォーターポンプではありませんが、エアコンのコンプレッサーやセルモーターなどの場合に多いです) このような事情から、どこの工場に整備をお願いするかによって、私たちユーザーが支払うべき整備料金の総額に、違いが出てきてしまうのです。

一通り壊れる可能性あり

日本には車検という素晴らしい制度があります。整備を請け負った業者は、予防整備という形で、お願いした整備以外の整備を推奨することがあります。今回のウォーターポンプの場合だと、エンジンにアプローチするのと同時に、エンジン内のタイミングベルトや、ベルトを張っているテンショナー、更にはベルト自体の取り替えを推奨されるケースが予想されます。これらの整備を同時に行えば、エンジンへのアプローチが一度で済み、結果として工賃が節約できます。
 タイミングベルトというのは、エンジン内にあるベルトで、10万キロを目安に取り替えが奨励されています。タイミングベルトが切れてしまうと、その場で車が動かなくなり、最悪のケースでは、エンジンが壊れます。テンショナーとは、エンジン内のベルトを張る装置で、経年と共に張る力が衰えて来ることから、一定期間での取り替えが奨励されています。ゴム製のベルトも同様です。
 整備を請け負う業者は、皆様に安心して車に乗ることができるように、整備のアドバイスをすることでしょう。整備の一般論とも言えるのかもしれませんが、整備の業界ではウォーターポンプを取り換える車は、予防整備として、タイミングベルトも取り替えることが奨励されています。タイミングベルトはエンジンの内部にあることから、通常のベルトのように目視で点検ができません。日本の整備の業界では、タイミングベルトの取り替えは走行距離で判断されています。また、タイミングベルトのない車もあります。

それなら一度

ウォーターポンプ取替、タイミングベルト取替、オートテンショナー取替、ベルト取替と、仮に奨励された全ての整備をするとなれば、例え一番簡単な車であっても、部品代と工賃で5万円以上の出費となります。中型車やミニバンであれば、軽く10万以上の整備費用がかかります。そして、これらの整備がきちんとされたとしても、今後、様々な箇所に不具合が出てくる可能性は否めません。これを機会に、あなたの車が今、中古車のオークション市場でどの位の価格で取引されているのかを一度、調べてみてはいかがでしょうか?中古車には相場があり、もしかすると、あなたの車は中古車市場で人気車かもしれません。そうであれば、整備代として用意しているお金と今の車で十分に頭金となり、月々もわずかな支払いで、新車を買える可能性が出てくるかもしれません。新車なら、仮に壊れても保証が付いていますし、車検も三年です。

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